問題詳情

問題12 次AとBはそれぞれ、ノートやメモのとり方について書かれた文章である。二つの文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、A・B・C・Dから一つ選んでください。A 社内(しゃない)にばかりいると、ビジネスマンとして(注1)人脈(じんみゃく)も広(ひろ)がらない。そこで、セミナーや勉強(べんきょう)会(かい)、講演(こうえん)会(かい)などに出(で)かけて自己(じこ)を磨(みが)いている人(ひと)も多(おお)いはずだ。しかし意外(いがい)と、あまりメモもとらず、「聞(き)きっぱなし」という人(ひと)も多(おお)いのではないだろうか。 話(はなし)を聞(き)いているときは「なるほどなあ」と思(おも)っていても、それを的確(てきかく)にメモしてなければ、あとになって「あの話(はなし)は何(なに)だったっけ」ということになる。人間(にんげん)は忘(わす)れやすい動物(どうぶつ)なのだ。 では、こういうときのメモはどうすればいいか? 基本(きほん)的(てき)なことは、話(はなし)の内容(ないよう)をいちいちすべてメモしまい、ということである。(注2)漫然(まんぜん)と聞(き)いて、話(はな)したことをすべてメモしていたら、(注3)核心(かくしん)が見(み)えなくなる。そこで、自分(じぶん)の仕事(しごと)やライフスタイルに関係(かんけい)すること、本当(ほんとう)に興味(きょうみ)のあることしかメモしないのである。( 坂戸(さかと)健司(けんじ) 『メモの技術(ぎじゅつ)』による )B 昔(むかし)、ある大(だい)学者(がくしゃ)が、尋(たず)ねてきた(注4)同郷(どうきょう)の後輩(こうはい)の大学生(だいがくせい)に、一字(いちじ)一句(いっく)教授(きょうじゅ)のことばをノートにとるのは(注5)愚(ぐ)だと訓(おし)えた。いまどきの大学(だいがく)で、ノートをとっている学生(がくせい)はいないけれども、戦前(せんぜん)の講義(こうぎ)といえば、一字(いちじ)一句(いっく)ノートするのは常識(じょうしき)であった。教授(きょうじゅ)も、筆記(ひっき)に(注6)便(べん)なように、一句(いっく)一句(いっく)、ゆっくり話(はな)したものだ。 その大(だい)学者(がくしゃ)はそういう時代(じだい)に、全部(ぜんぶ)ノートするのは結局(けっきょく)頭(あたま)によく入(はい)らないという点(てん)に気付(きづ)いていたらしい。大事(だいじ)な数字(すうじ)のほかは、ごく要点(ようてん)だけをノートに記入(きにゅう)する。その方(ほう)がずっとよく印象(いんしょう)に残(のこ)るというのである。 字(じ)を書(か)いていると、そちらに気(き)をとられて、(注7)内容(ないよう)がおるすになりやすい。              ( 外山(とやま)滋比古(しげひこ) 『思考(しこう)の整理学(せいりがく)』による )(注1)人脈(じんみゃく):人(ひと)のつながり       (注2)漫然(まんぜん)と:あまり注意(ちゅうい)しないで、なんとなく(注3)核心(かくしん):一番(いちばん)大切(たいせつ)な部分(ぶぶん) (注4)同郷(どうきょう)の:同(おな)じ出身地(しゅっしんち)の(注5)愚(ぐ)だ:ばかだ (注6)便(べん)なように:便利(べんり)なように(注7)内容(ないよう)がおるすになりやすい:内容(ないよう)に注意(ちゅうい)が向(む)かなくなりやすい
【題組】69 Aは、なぜメモをとることを勧(すす)めているのか。
(A) 話(はなし)の内容(ないよう)を忘(わす)れないようにするため
(B) 話(はなし)の内容(ないよう)に集中(しゅうちゅう)できるようにするため
(C) 話(はなし)の内容(ないよう)に興味(きょうみ)が持(も)てるようにするため
(D) 話(はなし)の内容(ないよう)を聞(き)き落(お)とさないようにするため

參考答案

答案:A
難度:適中0.443478
統計:A(51),B(20),C(22),D(15),E(0)